
成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)は、日本中のお寺の中でもっとも初詣に人を集める寺院です。特に人気を集めるのは節分に行われる「節分会」があり、大相撲の力士や芸能人が特別年男として登場します。なぜ、多くの人が集まるのか、その人気の秘密について、成田山新勝寺の魅力を発見しつつ、初詣などの混雑具合やアクセス、駐車場情報などおりまぜてお伝えします。
成田山新勝寺に300万人近い人がおしよせる人気の秘密
成田山新勝寺のお正月三が日の初詣参詣者数は、2003年289万人、2004年260万人、2005年265万人、2006万人275万人、2007年290万人、2008年298万人、2009年298万人、2010年298万人、2013年300万人(参考サイト)と発表されています。日本一の国際空港から8.4㎞と近いこともあるのでしょうか。10世紀に創建された新勝寺ですが、戦国期にはすたれていたそうです。そこからどのように復活し、今のような人気を勝ち取っていったのでしょう。
歌舞伎界・梨園と成田山新勝寺
歌舞伎で「成田屋」といえば、市川團十郎(いちかわだんじゅうろう)です。初代市川團十郎は、時代を代表する千両役者(せんりょうやくしゃ)でしたが、子どもがなく、それを憂えて市川の発祥地にある新勝寺の薬師堂へ、求子祈願(ぐしきがん)に通ったそうです。その翌1688年に子を授かったことからさらに信仰を篤くした初代市川團十郎が、新勝寺のご本尊をテーマとした『成田山不動明王(なりたさんふどうみょうおう)』を初演したのは、その7年後の事でした。その際から「成田屋」を屋号とし、不動明王は團十郎の十八番(おはこ)となったのです。
人気歌舞伎役者が描く「不動明王」を一目見たいと、多くの人が新勝寺へと足を運んだことでしょう。そしてそのあらたかなご霊験にあやかりたいと願ったのです。今でいえば、ドラマや映画のロケ地を探訪する聖地巡りのような感覚でしょうか。
江戸に出張して「御開帳」
成田山から江戸までは約60㎞。今の人の足で12時間かかる道のりです。日帰りで歩いてやってこれる範囲に住む人々は限られてしまいます。「江戸に出張して御開帳をしよう。そうすることで、脚なえ等で成田まで歩いで来られない人々にお不動様のご霊験を体験していただこう。」そう考えた当時の誰かがいたのでしょう。江戸時代だけで12回の出開帳を行って民衆の信仰を集めたということです。
「鉄砲玉から身を守るお札」を授かりに兵士や家族が訪れる
日清戦争、満州事変、日中戦争・・・日本が戦争の時代に入ると、武運長久を祈り「身代わり札」をいただく武人やその家族の精神的な支えになってきたということです。「身代わり札」の起源は1832年のこと。仁王門の棟上げ式直前に大工が足場から落下したが、「身代わり札」が真っ二つに割れるも、大工自身は無傷だったということがあったといいます。
ただ、戦後信教分離などが施行され日本人の精神的支柱が揺らいだこともあり、急速に参拝客の足が衰えていったそうです。1953年は1日と2日で15万人の参拝者が訪れ戦後8年たって回復のきざしを見せています。
車社会の到来で、車お祓いを先駆け人気を呼ぶ
「成田山」というと車祓いというイメージがあります。車社会になってどんどん参詣者が増えてきた経緯があるようです。
風水都市江戸の鬼門守護に鎮座する平将門(たいらのまさかど)の宿敵!?新勝寺
東京という、世界でもまれにみる大都市の土台には綿密に計画された日本風水があると言われています。その都市計画の中で重要な役割を務めているのが、鬼門守護であったり、東京という都市への「結界づくり」だといわれています。東京結界には神田神社、浅草神社、日枝神社と、寛永寺、増上寺があり、東京への入り口になる場所に平将門の部位を祀った塚があって街を守護する結界としています。
その平将門の乱の平定祈願の密勅を受けた寛朝僧正が将門を調伏して新勝寺が開山したという経緯もあり、将門公にとっては敵という関係があります。
成田山新勝寺の楽しみ方
お寺としての霊験とか、心の支えとして通うことの他にも「待ち時間の楽しみ」とか「帰り道の楽しみ」があるのも嬉しいものです。
新勝寺に行けば御朱印が5つ集まる
新勝寺でいただける御朱印は全部で5つあります。大本堂(だいほんどう)、光明堂(こうみょうどう)、釈迦堂(しゃかどう)、出世稲荷(しゅっせいなり)、平和の大塔(へいわのだいとう)でいただくことが可能です。
お正月限定お守り
お正月限定のお守りは2種類あります。
■ 初詣開運御守(対数限定)/800円/12月28日から頒布
■ 特別勝御守/1,000円/12月28日から頒布
新春不動明王御印紋(ごいんもん)
「新春不動明王御印紋」とはご本尊であるお不動様をあらわす梵字の朱印を額に押して、無病息災や身体健全、学業成就をいのります。
■ 期間/1月1日~1月28日
■ 場所/大本堂東側受付
門前町で何食べる?
くまさんカステラ、食べ歩きせんべい、竹細工、漢方、うなぎ、漬物など門前町にはさまざまなお店が軒をつらね、初詣の行列待ちや参拝帰りの楽しみになります。
ご利益ある成田山の参拝コースの距離とかかる時間
成田山新勝寺までの交通アクセス
■ 京成電鉄 「京成線成田駅」下車 成田山新勝寺総門まで1.1㎞ 徒歩14分
■ JR線 「成田駅」下車 成田山新勝寺総門まで1.1㎞ 徒歩14分
「新春御護摩申込所」で事前に申し込み
駅から約600mのところにある千葉信用金庫成田支店付近で、御護摩祈祷をしていただくための申込所が開設されます。申込所は、総門をはいったところにもありますが、ご祈祷を受ける予定がある場合は待ち時間を節約できるので、こちらで申し込みましょう。
新勝寺総門から参拝まで
新勝寺総門までは駅から約1.1㎞です。通常であれば15分あれば到着できますが、初詣の場合は40分以上かかりそうです。総門から仁王門まで10分ほどです。仁王門を過ぎると本堂が見えてきますが、参拝できるまで10分ぐらいかかりそうです。並び始めて50分、駅を降りてから1時間以上はかかりそうですね。
駐車場
成田山新勝寺周辺の駐車場についての案内ページがあります。
(クリックすると大きなMAPになります)
駐車場案内
成田山新勝寺 概要
開基/寛朝僧正(かんちょうそうじょう)
創建/940年
所在地/千葉県成田市成田1番地の1
アクセス/京成電鉄 「京成線成田駅」下車 成田山新勝寺総門まで1.1㎞ 徒歩14分
JR線「成田駅」下車 成田山新勝寺総門まで1.1㎞ 徒歩14分
宗派/真言宗智山派
本尊/大聖不動明王
問い合わせ先/0476-22-2111
成田山新勝寺の節分行事
国土安穏(こくどあんのん)、万民豊楽(ばんみんほうらく)、五穀豊穣(ごこくほうじょう)、転禍為福(てんかいふく)を祈願し節分会が行われます。「鬼は外」と言わないのは、鬼ですら慈悲心で許すという意味をこめているようです。
節分会(せつぶんえ)
場所/大本堂正面特設舞台
開催日/2月3日(※2020年)
開運豆まき/1回目9:30~、2回目12:30~、3回目15:00~
特別追儺豆まき式/1回目11:00~、二回目13:30~、3回目16:00~/大豆860㎏、殻付きピーナッツ400㎏が投げられ、一回に付き365体の福御守が蒔かれる。特別年男として横綱白鳳や大河ドラマ『麒麟がくる』の明智光秀役長谷川博己らが登場。
特別追儺豆まき式の参加/参加料:8万円(袴を貸与)、授与品:特別大護摩札、福御守、福桝、福豆など
問い合わせ先/0476-22-2111 成田山節分会年男係
厄除け祓い/釈迦堂で受付、8:00~15:30、7,000円・12,000円
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