【10月18日きりぎりすとにあり】虫の名がつく神社

虫がつく神社



歳時記とは季節のコードです。10月18日のことばは、キリギリスが戸にいる風景を切り取っています。
キリギリスとは鈴の音色をだすコオロギのことだそうです。虫聞きの文化は平安時代からのものと言われています。歌に詠むということで、地球の様々な音に耳を傾けてきたのでしょう。

秋の夜長に虫の声。そして、その季節は脚をあらわにしてはいけない時です。この季節からなまあしを出していると、年を重ねてから冷えの影響が体に出るのだそうです。

10月18日 寒露 末候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

人のそばに虫がやってくるのは何のためでしょう。歌詠み人が、灯かりのそばに近づいてくる虫の音に癒される寒い夜もあったに違いありません。

神話にはたくさんの動物や虫が登場します。害虫が現れて退治した話もありますし、人のようで人でない化け物として人を襲ったり。でも時には改心して食物や穀物を守るカミの補佐をするようなこともありました。

キリギリスのコードにちなみ、虫と名につく神社を巡って行きまししょう。

虫鹿神社(むしかじんじゃ)

虫鹿神社(むしかじんじゃ)
御祭神/祭神 国常立尊(くにとこたちのみこと)国狹槌尊くにさづちのみこと)豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)大日靈貴命(おおひるめむちのみこと)菊理姫尊(きくりひめのみこと)
住所/愛知県犬山市前原向屋敷62
ご祭神/国常立尊 国狹槌尊 豊斗渟尊 天照大神 菊理媛命

虫鹿神社には建国三代の神々も祀られます。江戸時代の初期に灌漑用ため池を作るために水没した入鹿村の「鹿」が付いている神社です。

「代々三古社の神官を務めた家の口伝によると饒速日命だと判断している」という見解もあります。長い歴史の中戦火にあって資料がないけれども、一子相伝にとして伝わるのは神社を継承する方法がとられていることも多いと聞きます。

虫鹿の名については、「入鹿村には鹿はいない。なので無鹿が本当なのではないか」という説もあります。虫に意味はない?

虫鹿神社奥宮

虫鹿神社奥宮
住所 ?
ご祭神 不明

珍しく高熱を発祥し、熱に浮かされながら導かれた神社でした。でもご祭神が不明とは。もしかして饒速日命?なんで導かれたのかな?

小虫神社

ご祭神 少彦名命(または若山咋命)
住所 京都府与謝郡与謝野町温江字小森谷103

槌鬼(つちおに)という悪鬼の毒気に当てられた姫が病気に罹り、それを嘆く大己貴命のために少名彦命が八色の息を吐きかけて槌鬼を追い出し姫を回復させたが、今度はその息のために人や動植物が虫病に苦しむようになったため、少名彦命は「小虫」と名乗ってそれぞれの体内から害源である悪虫を除くことを誓った・・・Wikiより

という事です。体内の虫って疳の虫とか回虫とか?

大虫神社

ご祭神 大己貴命(おおなむちのみこと)
住所 京都府与謝郡与謝野町温江字虫本1821

小虫神社は少彦名命が、大己貴命は「大虫」を名乗って体外から病を治すことを誓い合い、鏡を2面作ってそれぞれ分け持ったことから、「大虫」「小虫」の神として崇められるようになった

立虫神社(たちむしじんじゃ)

洪水で現在地にご遷座の以前は、斐伊川の中洲に鎮座していたということです。斐伊川は、父スサノオノミコトの統治エリアであり、御祭神は出雲國を繁栄に導いたオオナムチノミコトの兄・姉というお立場です。ご長男のイソタケルノミコトはスサノオを援け大陸まで渡ったと伝わります。オオナムチが他の兄にいじめられたとき、それを救い出したこともあります。イソ、という名がつき祝(はふり)の詞(ことば)の使い手だったのでは?と考えられます。また、タケルという名は武勇に優れていることを表しています。

立(たつ)とは劔、虫とは丹田に宿る腹の虫のことを意味しているのでしょうか。中州に位置していたということであり、時には濁流がおしよせることもあったでしょう。

ご祭神/五十猛命(いそのたけるのみこと) 大屋津姫命(おおやつひめのみこと) 抓津姫命(つまつひめのみこと) (配祀)大穴牟遅命(おおなむちのみこと)
住所/島根県簸川郡斐川町併川258

三柱の神は、『古事記』『日本書紀』の神話にも登場され、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御子神として、木材、植林、建築などを司り、それらを広く普及し、耕地の開発に霊験あらたかな神。

虫生神社(むしゅうじんじゃ)

住所 滋賀県野洲市虫生154
ご祭神 月讀命(つきよみのみこと)

かつてこの地域の服部郷があり、このうちの錦織部の人々がここに居住して、虫生社を勧請したと伝えられる。

この場合の虫とは、蚕の事でしょうか。服部とは、機織りに関連する職業をもつグループで、秦の時代に中国から渡来した人々だと考えられています。機織りのための良い絹糸を生産するためにはもともとのお蚕さんがお月さまのうる(めぐる周期による恵み)を得て生まれ育つことが大切にされていたことをにおわせます。

石園座多久虫玉神社(いわぞのにますたくむしたまじんじゃ)

別名を龍王宮(りゅうおうぐう)とされます。豊玉彦とは八大龍王として祀られることの多い神様ですから、本来の主祭神は配祀の豊玉彦なのかもしれません。玉依姫は神武天皇の母で、豊玉姫は姑にあたります。豊玉彦は祖父という関係です。

ご祭神/建玉依比古命(たけたまよりひこのみこと)建玉依比賣命(たけたまよりひめのみこと)配祀:豊玉比古命(とよたまひこのみこと)豊玉比賣命(たまよりひめのみこと)
住所/奈良県大和高田市片塩町15−33

古くは「射園神:いそのかみ」と呼ばれたそうです。本来のご祭神は多久都玉命と下照姫命とも伝えられるそうな。イソノカミ、つまり祝ことばの神様で、有名なのは石上神宮があります。石園座(いわぞのにます)とは御鎮座地のことをいうのでしょう。多久都玉命(たくつたまのみこと)とは一説に「天神地祇の総称」一説に「神産巣日神の子」、対馬特有の神であるところから「八幡信仰の変形」という見方があります。

「奈良に鎮座する対馬の神」ということで、
もともと、神武天皇(かんやまといわれひこ時代)は九州にいてやがて東征を行い初代天皇である神武天皇となりました。外戚の一党が大挙引っ越したという感じでしょうか。

神社名に虫がついていますが、この虫は「豆(都 ヅ)」の後記ではないかという説もあるようです。

参考サイト
石園座多久虫玉神社

以上、虫がつく神社をご紹介しました。

トップ画像出展元:バナーナさんによる写真ACからの写真

【関連記事】
9月2日「処暑」末候 禾乃登(こくものすなわちみのる)
9月7日「白露」初候 草白露(くさのつゆしろし)
9月12日 「白露」次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
9月18日 「白露」末候 玄鳥去(つばめさる)
9月23日 秋分 初候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
9月28日 秋分 次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
10月3日 秋分 末候 水始涸(みずはじめてかるる)
10月8日 寒露 初候 鴻雁来(こうがんきたる)
10月13日 寒露 次候 菊花開(きくのはなひらく)
10月18日 寒露 末候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
10月23日 霜降(そうこう)初候 霜始降花(しもはじめてふる)
11月2日 霜降 末候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)
11月17日 立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る