菊の花が咲き始めるころ、旧暦の重陽の節句に邪気を祓い長寿を祈るという季節です。天皇家のご紋は菊の花が使われています。後鳥羽上皇がこのんだから、それから伝統になったと説明されています。1946年に発刊された『菊と刀』(ルース・ベネディクト著)によっても、菊と言えば”天皇”ということが外国にも周知され、日本人研究されるところとなりました。菊の季節に邪気を払うことは、個人にとどまらず日本人の邪気を払うというような意味合いを含んでいるのかもしれません。他の節句と違い、消滅してしまったかに見える9月9日の節句だからこそ、この時代、ことのほか大切にした方が良いのかもしれません。
10月13日 寒露 次候 菊花開(きくのはなひらく)
菊の花にちなんで菊花紋のご神紋をもつ神社を巡ってみましょう。
高鴨神社(上鴨社)
ご祭神 阿治須岐高日子根命(あちすきたかひこねのみこと)
住所 奈良県御所市鴨神1110
全国鴨社の総本社です。御祭神は、オオナムチノミコトの息子であり、美濃のカナヤマヒコノミコトの孫娘オクラヒメ(後の下照姫)を妻とし、当地に鎮座しています。東北の乗馬の名手であるヲバシリの弟子となって習った関係もあり、日光二荒神社の御祭神として祀られています。
南宮大社(なんぐうたいしゃ)
ご祭神 金山彦命(かなやまひこのみこと)
住所 岐阜県不破郡垂井町宮代峯1734-1
金属・鉄鋼の神様です。美濃から中山道を開いた神と言われています。
孫娘のオクラヒメは、アチスキタカヒコネの奥様です。
籠神社(このじんじゃ)
ご祭神 彦火明命(ひこほのあかりのみこと)
住所 京都府宮津市字大垣430
このあたりのクニが治まらず、豊受大神は天照大御神に呼ばれて治めこの近くで”トヨケノリ(生きたまま洞に入り神上がりすること)”を行いました。籠神社の奥宮に鎮座されています。トヨウケノオオカミを慕うアマテルカミもまた、トヨケノリを当地で行ったとされます。
そして、アマテルカミの孫である火明命が祀られ、現在天皇家と同じ家紋をご神紋としています。
羽豆神社(はずじんじゃ)
ご祭神 建稻種命(たけいなだねのみこと)
住所 愛知県知多郡南知多町大字師崎字明神山1
タケイナダネノミコトはヤマトタケ東征の際の副将軍で、その帰途、駿河湾で水死したと伝えられています。
武勇に優れた方だったようで、ヤマトタケは建稲種命の死を深く悲しんだということです。尾張を開いたオトヨノミコトの子で、ヤマトタケの妻の一人で、熱田の宮を開いたミヤヅヒメとは兄弟に当たります。
明治神宮
住所 東京都渋谷区代々木神園町1番1号
ご祭神 明治天皇 昭憲皇太后
言霊学の研究を行っていた明治天皇と皇后をお祀りする神社です。初詣参拝者は全国で一番多く人気が高いお社です。筆者も当社では何度も不思議な導きを得ています。
伊奈波神社(いなばじんじゃ)
ご祭神 五十瓊敷入彦命(いにしきいりひこのみこと)
住所 岐阜県岐阜市伊奈波通り1-1
境内は、斎藤道三の居城で、のちには織田信長が名付けた岐阜城のあるイナバ山(金華山)の麓にあり、参拝して振り向いたときの景観が素敵です。
御祭神は第11代垂仁天皇(すいにんてんのう)の皇子で、第12代景行天皇(けいこうてんのう)の同母兄にあたります。一時期河内が任地となった時期があり、石上神宮の神器を管掌したようです。その後老境に入り管掌を委ねた妹が物部氏へと管掌を依頼したということです。
十種神宝(とくさのかんたから)は石上神宮のはじめとなる「ウマシマチ」が父、ニギハヤヒから受けつだものでしたが、神武東征の折に屈して奉献したことになっています。神武天皇の元に集められた神器が、12代を経て物部氏の元に戻す働きを、五十瓊敷入彦命は結果として為したということです。
境内のご霊験あらたかな黒龍社から少し降りたところに玉津島神社があります。正確には三歌人のお社です。ほっこりあたたかい光に包まれた感触を今も思い出します。
靖国神社(やすくにじんじゃ)
十六菊に桜がついたご神紋です。
ご祭神 護国の英霊
住所 東京都千代田区九段北3丁目1番1号
お盆の時期にはいつも話題となる神社ですね。参拝した折は色々騒ぎが起こったあとだったからか、ちょっと普通の神社とは違う雰囲気でしたね。子どもたちが親に贈られての登校途中に行き交いました。
形原神社(かたはらじんじゃ)
ご祭神/埴安大神(はにやすのおおかみ) 朝廷別王命 誉田別命(ほんだわけのみこと) 豊受姫大神(とようけひめのおおかみ) 天兒屋根神(あまのこやねのかみ)
住所 愛知県蒲郡市形原町八ケ峯39
ハニヤスの神は土の神であり、日本のトイレの神様です。朝廷別王命は穂の国の國造りだとされます。
夕方近くになって参拝したこの時、境内のお山でガサガサ。おそらくは神職の形が、木を伐採していらしたようです。
トップ画像出展元:cheetahさんによる写真ACからの写真
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11月17日 立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)
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2020年 6月 08日
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2020年 6月 08日
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