「自分の“実質”が根づく大地をことほぐ神社」とは言いかえれば、「私は生涯○○です」と言い切れる○○がやれるよう自分が依って立つ家庭や仕事場の状況などの環境が得られるということです。
ここでは、やりたいことをやるために2018年戊戌にご縁をいただきたい神様をご紹介します。
戊戌の年のテーマは「自分のアイデンティティを確認して鍬入れすること」
「私は生涯○○です」と言えるのは寄って立つ足場・大地がしっかりしているからこそです。
そこから迷わず自分の道を進むのです。
今年は「土」に関する神様がよい働きをもたらしてくれます。
今年の場合、土は土でも硬く大きな土です。
それは「山」です。日本のような気候では、ごつごつした岩にも木が根っこを張ります。
ということで、まずはお山の神様についてご紹介します。
お山の神様オオヤマツミノカミのこと
「山神社」とか「山の神」として神社の境内社としてもよく祀られる神様です。日本中にお山がありますからね。
山を守り、支配する神で、やまんばに例えられるように女性性で、少し恐ろしいイメージがあります。
昔は口うるさい家の妻を「山の神」と言っていました。
家を守り財産を守る守なのです。
普段は森でたくさんの動物など生き物をはぐくみ、たくさんの雨を蓄えて人々の恵みになります。
しかし一旦怒ると文字通り大地を揺るがせ、土砂崩れを起こすほどの甚大な被害をもたらします。
山の力を味方につけることは地に足を付ける大きな力となります。
「オオヤマツミ」とはお働きの世襲であり複数の系統があります。
四国を拠点とする系統と三嶋を拠点とする系統ですが、三嶋のオオヤマツミ系の娘にコノハナサクヤヒメとイワナガヒメがいらっしゃいます。
「千代に八千代に」を司るイワナガヒメ
コノハナサクヤヒメは、天皇のお妃となり三人の皇子を生みました。
姉のイワナガヒメは入内を拒否されてお妃となれませんでした。
そのために人間は岩のような永遠の命は与えられず、サクラの花のようなはかない寿命を与えられたと『古事記』に伝わります。
イワナガヒメは「花のように美しくはないが、岩のように長生きする」ことを意味しているのです。
山には土台となっている岩の素地が必要です。
戊(つちのえ、土の兄)とは姉のイワナガヒメそのままのイメージです。
己(つちのと)はコノハナサクヤヒメのイメージと重なります。
オオヤマツミノカミを祀る神社
湯殿山神社(ゆどのさんじんじゃ)
(画像出典:https://ja.wikipedia.org/)
霊場として有名な山形県出羽三山の一つである湯殿山神社(ゆどのさんじんじゃ)は、ご神体のお山に登る時ハダシになってから登拝します。夏のお天気の良い日の参拝がよさそうです。
住所/山形県鶴岡市田麦俣字六十里山7
ご祭神/大山祇神(おおやまずづみのかみ)・大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)
ご神徳/羽黒派古修験道の継承地
アクセス/ 鶴岡駅からあさひ交通バスで湯殿山終点下車。参詣用シャトルバスへの乗り換えもしくは徒歩で湯殿山神社へ
問い合わせ先/0235-62-2355
大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)
(画像出典:https://ja.wikipedia.org/)
大山には常に霧がかかり、水気がおおく古代から雨乞いの霊山としての霊験を現わしました。
ご祭神はオオヤマツミの他、オオイカヅチ(雷)、タカオカミノカミ(龍神)が鎮座し、「緑の星、地球」そのままを創造する神々がいらっしゃることがわかります。
大山のパワーを集める下社にお参りし、水気が満たされた雄大な大地のエネルギーチャージができます。
住所/神奈川県伊勢原市大山355
ご祭神/(本社)大山祇大神(おおやまづみのみこと)
(奥社)大雷神(おおいかづちのみこと)
(前社)高神(たかおかみのかみ)
ご神徳/国を護る山・神の山、山野の幸をつかさどる水の神・山の神、海上からは羅針盤をつとめる海洋の守り神、大漁の神、山岳信仰の中心
アクセス/小田急線伊勢原駅より4番神奈川中央交通バスに乗り換え「大山あふり神社社務局入口」で下車
問い合わせ先/0463-95-2006 9:00~17:00
伊豆國一之宮 三嶋大社
(画像出典:https://ja.wikipedia.org/)
ご祭神は、古来より大切にされてきた日本の象徴である富士山麓をお守りする神です。山森農産の守護神として愛されています。
住所/静岡県三島市大宮町二丁目1番5号
ご祭神/大山祇命(おおやまずみのみこと)
積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)
ご神徳/山森農産の守護神、また事代主神は福徳の神として商・工・漁業者の厚い崇敬を受ける
アクセス/伊豆箱根鉄道駿豆線 三島田町駅 (徒歩5分)
JR東海東海道本線・東海道新幹線または伊豆箱根鉄道駿豆線 三島駅 (徒歩10分)
問い合わせ先/055-975-0172
梅宮大社
(画像出典:https://ja.wikipedia.org/)
ご祭神は酒解神(オオヤマツミの別名)とされ、酒造りの神ともされます。
「境」をしる神であることその名に仕込まれています。
住所/京都府京都市右京区梅津フケノ川町30
ご祭神/酒解神(さかとけのかみ)オオヤマツミ
酒解子神(さかとけこのかみ)コノハナサクヤヒメ
大若子神(おおわっこのかみ)ニニギ
小若子神(こわくこのかみ)ホホデミ
ご神徳/山森農産の守護神、また事代主神は福徳の神として商・工・漁業者の厚い崇敬を受ける
アクセス/阪急嵐山線 松尾大社駅 (徒歩約10分)
問い合わせ先/075-861-2730
大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)
(画像出典:https://ja.wikipedia.org/)
法師の夢に相模の三嶋大明神が現れ当地に勧請し、778年に創建された伊予國一之宮です。
住所/愛媛県今治市大三島町宮浦3327番地
ご祭神/大山積神
ご神徳/ 火災、病苦諸厄を除き国中を安穏に擁護
アクセス/ 瀬戸内運輸・瀬戸内海交通バスで「大山祗神社前」バス停下車 (下車後徒歩すぐ)
問い合わせ先/0241-45-2323
イワナガヒメを祀る神社
イワナガヒメはオオヤマツミの娘で、コノハナサクヤヒメのお姉さんです。妹は夫に愛され、イワナガヒメはその醜さのために夫に拒否され家に帰されました。それで、岩のような永遠の命を捨て、桜の花のように短い寿命が人に与えられた、と『古事記』に伝わります。残念に思った後の日本人は「君が代は千代に八千代に」続きますようにとイワナガヒメを丁重に祀りました。
穂北神社(ほきたじんじゃ)
穂北神社には、イワナガヒメの山陵があると伝わっています。
イワナガヒメが晩年を過ごし亡くなったのは宮崎の地だったのです。
妹のコノハナサクヤヒメの夫ニニギノミコトが神上がりしたのも宮崎の地です。
イワナガヒメは、ニニギノミコトに選ばれませんでしたが、大好きだったのかもしれませんね。
住所/宮崎県西都市穂北935
ご祭神/磐長姫命(いわながひめのみこと)
伊邪那岐尊(いざなきのみこと)
伊邪那美尊(いざなみのみこと)
猿田彦命(さるたひこのみこと)
豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)
経津主命(ふつぬしのみこと)
建御名方命(たけみなかたのみこと)
武甕槌命(たけみかづちのみこと)
大年神(おおとしのかみ)
大山津見命(おおやまつみのみこと)
素盞男命(すさのおのみこと)
稲田姫命(いなだひめのみこと)
アクセス/ JR佐土原駅より西都方面へ車で約30分
問い合わせ先/(0983)42-3934
銀鏡神社(しろみじんじゃ)
こちらにはイワナガヒメが、親のオオヤマツミと共に鎮座します。
銀鏡神楽33番は米良神楽の一つで国の重要無形民俗文化財に指定されています。
ご神体は霊峰龍房山と御神鏡です。
住所/宮崎県西都市大字銀鏡492
ご祭神/岩長姫尊(いわながひめのみこと)
大山祇尊(おおやまつみのみこと)
懐良親王(かねながしんのう)
アクセス/西都ICより車で約1時間20分
問い合わせ先/(0983)46-2123
元伊勢皇大神社(こうたいじんじゃ)の境内 岩長姫命社
住所/京都府福知山市大江町内宮宮山217
ご祭神/岩長姫尊(いわながひめのみこと)
アクセス/北近畿タンゴ鉄道宮福線の大江山口内宮駅の西500m
貴船神社中社 結社(ゆいのやしろ)
住所/京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
ご祭神/岩長姫尊(いわながひめのみこと)
アクセス/叡山電鉄・鞍馬線貴船口より徒歩で30分ほど北上
西賀茂大将軍神社
住所/京都府京都市北区西賀茂角社町129
ご祭神/磐長姫命 家族五柱神
アクセス/叡山電鉄・鞍馬線貴船口より徒歩で30分ほど北上
アラハバキノカミを祀る神社
アラハバキとは日本東部の民・蝦夷(えみし、えびす、えぞ)が祀った地主神です。
三河一宮 砥鹿神社にもアラハバキ社がありますが、そのご祭神はオオナムチノミコトの荒魂としています。
足もとを守る神として祀られる神社にわらじが奉納されたりします。
大地のヌシなのです。
三河一宮 砥鹿神社境内 荒羽羽木神社
日本の代表的な断層に中央構造線があります。
中央構造線上には数多く神社が鎮座しますが、当社もその一つです。
豊川市から新城市にかけて走る中央構造線の断層は結構大きなものですが、まさに砥鹿神社は断層の真上になります。
住所/里宮:愛知県豊川市一宮町西垣内2
奥宮:愛知県豊川市上長山町本宮下4
ご祭神/大己貴命
ご神徳/正しい勇気、身体健全、健脚の守護神
アクセス/里宮:JR東海飯田線 三河一宮駅 (徒歩5分)
武蔵國一宮 氷川神社中社(中山神社)境内 荒脛神社
全国の氷川神社の総社で、氷川神社(大宮区)・氷川女体神社(緑区)とともに氷川三社の中社として真ん中に鎮座します。
住所/埼玉県さいたま市見沼区中川145-65
ご祭神/大己貴命
アクセス/大宮駅東口より国際興業バス(大12系統中川循環)「中山神社前」バス停下車
荒脛神社(あらはばきじんじゃ)
陸奥国鎮守の多賀城の左隅に、総社宮と相対するかたちで鎮座します。
住所/宮城県多賀城市市川奏社
ご祭神/荒脛神
金峰神社(きんぽうじんじゃ)
アラハバキ神と鉄鋼関係が示唆されるご祭神です。
住所/秋田県横手市雄物川町大沢字上法寺37
ご祭神/金山毘古神(かなやまひこのおおかみ)
金山毘売神(かなやまひめのおおかみ)
荒羽々岐神(あらはばきのかみ)
安閑天皇尊霊(あんかんてんのうそんのみたま)
荒金祖山(あらはばきやま)
住所/静岡県浜松市浜北区堀谷
ご祭神/はばきさん
噴火・地震がつづく地球
戊戌(つちのえいぬ)の年にお参りすべき「つちのえ」の神様のいる神社をご紹介しましたが今年、一度はどこかにお参りしたいですね。
地震や噴火などニュースになるような自然現象が起きた時に、その土地がどのような地相なのか、なぜそこで噴火や地震が起きたのかについて継続して調べています。
今年で言えば、草津白根山に始まり、蔵王、霧島連山・新燃岳、硫黄山の記事を書きました。海外でも大きな噴火が地域住人の脅威となっていますが、ハワイ・キラウェア火山やグアテマラ・フエゴ山についても書いてきました。
地震・火山も「戊(つちのえ)」を象徴する自然現象なんですね。地球は生命を持っていて常に新陳代謝し、造形を変えていく・・・ということです。
地球の造山活動により数多くの文明が海の中に没した過去があるのですね。
地球が人類に対して語りかけてくる声に耳を澄ませる意味でも、気持ちのいい神社は力になると思いますよ。
今年は「戊の神社」のほかにもう一つ押さえるべきは「自分の“実質”の邪魔をする枝葉末節を伐り祓う」剣の神様のいらっしゃる神社です。
戊戌の年「土」と「剣」の神社へ行って育てるべきたった一つのもの
戊戌の年にお参りすべき「土」の神社
戊戌の年にお参りしたいツルギの神社
2019年初詣、失敗しない神社はしご旅攻略法
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【高山】2019年はしご初詣ー水無神社と雪景色にきらめくライトアップ
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