1月11日鏡開きで百”満(もち)”の神様パワーをいただきます

鏡ひらき



1月11日、1が三つならぶ良き日は鏡開きです。多少の前後はあるにせよ、いろいろな神社や各家庭で年末に突いたお餅をお正月にお供えし、11日ごろいい具合に乾燥してひびが入った状態になった鏡餅を木づちなどで割って皆で分かち合います。鏡開きの意味や歴史を紐解きつつ、お餅のお福をいただきたいと思います。

鏡餅とは

鏡餅とは日本の伝統行事であり、年始に神様にお供えする丸いお餅の床飾りのことです。
鏡開きとは、松の内が終わる節目に年神様の宿った鏡餅を分けて家族に振舞う行事のことです。
鏡餅を木づちなどで小さく割ることを”開く”というのです。
冬場の乾燥した床の間に二週間ほど置くと、鏡餅はいい感じに乾燥し、ひび割れてきます。
表面が硬くひび割れ、乾燥してボロボロと手でも開くことができます。
そうしたら一定時間水に着け置いてざるに上げて水を切り、焼いたり揚げたりしていただきます。
引用元:鏡餅の起源と隠された真実

モチの意味

モチという日本語は、百(も)神霊(ち、ひ)を意味しています。そして満月のことをモチヅキともいいますね。モチツキという行事を日本人が大切にしてきた理由のヒントがそんなところにもあるかもしれません。お正月にお雑煮を食す習慣は、年神さまからのお年魂をいただく行為だと言われますが、欠けたるところのない満月のような鏡餅を割っていただく深い理由があるはずです。

鏡の意味

三種の神器のひとつに八咫鏡(やたのかがみ)があります。この三種の神器の一つである鏡を模したものが鏡餅です。皇がクニタミの暮らし向きや幸せに対して無頓着にならないため、クニタミの心や世相を映す道具が八咫鏡です。つまり鏡餅自体、国民である私たちのあり様のことを指すと考えられます。

鏡餅が二段重ねである理由

そして鏡餅は一段や三段ではなく二段重ねます。この意味は「ゆく年」と「くる年」の二年が重なって隙間がなくすることで魔がないらないようにというはからいだと一般的には言われています。ですが、一段目が国民である私たちのあり様だとすれば、二段目の餅は百神を表していて、私たちが常に神様と共によりそって良い国を作って行こう、という意味にも取れます。

鏡餅を割ることを「開く」というワケ

そして、鏡餅をわることを「開く」ということには、天岩戸開きをイメージします。冬至に一陽をえて温まった大地を開くと同時に、私たち一人一人がそれぞれの岩戸を開いて神様からお年魂をいただいて一年の健康と家内安全などをあらかじめ祝う祀りが鏡開きなのかもしれません。

参考:鏡開きの起源と隠された真実
【天皇晴れ】瑞祥もたらした天叢雲剣の素性とものスゴイ霊験 三種神器 十種神宝



鏡餅のいただき方

鏡餅を開いていただくときは、切るのではなく割って食べやすい大きさに細かくしていただきます。家で突いた鏡餅の場合は、そのままお飾りすると表面が乾燥したり、湿気が多いとカビが生えたりします。表面が固くなった餅は水に浸け、やわらかくなったらざるにあげて水気がなくなったところで焼いて善哉(ぜんざい)に入れていただきます。

小豆には魔除けや厄さい除けの意味があるといわれています。お正月の黒豆や、節分にも大豆が用いられていますが、豆は古代から節目節目に用いられています。雑煮や餅ピザなど、おいしいアレンジレシピもいいですが、鏡開きの日はぜひ善哉でいただきたいです。

プラスティック製の入れ物に入った鏡餅でも効果はあるか?

お餅っておいしいですよね。外国人シェフもお餅にはほれ込んでいるようで、「日本になくなってほしくなくない食材」の一位は「モチ」だそうです。欧米にはない食材のようですね。お餅自体には味はなくチーズでもケチャップでもなんでもあいますから、食材として重宝するようです。

そのようにお餅好きな人も多いのですが、自分で餅をついて鏡餅に必要な橙(だいだい)やウラジロなどを揃えるのも、まあ、大変ではあります。もちろんセットで売られていれば購入するだけですが、ならば、プラスティックの入れ物に入った鏡餅セットが便利ですね。個包装の四角いお餅が入っているのとか、丸餅が入っているのもあり、包丁を使わないでも割れるように切り目が入れてあります。

ただ、そういうものでもご利益というか、お飾りする効果はあるのでしょうか。

鏡餅のお飾りの意味

効果のあるなしに言及する前に鏡餅の飾りつけにはどのような意味があるのかを知っておきましょう。

■紙垂(しで)
白い木綿や和紙を切って折り畳むなど、ギザギザの形をした白い紙垂には神様が降り来たり宿る姿を現します。光とか稲妻のイメージです。

■うらじろ
表面が緑で裏が白いのでその名が付いています。後ろ暗いことの無いように清廉(せいれん)にという意味があります。

■ゆずりは
古い葉は新しい葉に譲(ゆず)って受け継がれ、家がつつがなくつづいていくようにとの願いをこめています。

■橙(だいだい)
代々御代が続くようにと祈られます。

プラスティック製鏡餅にはいったお餅に効果はあるか

本当のお餅ではなく「鏡餅の飾り物」の場合、毎年季節になれば出してきて繰り返し使えますし、経済的です。でもほとんどの家では玄関に飾るしめ縄同様、一年ごとに買い替えてお飾りするでしょう。日本人には「新しいものに価値がある」という見方をする場合が、多いように感じます。

例えば伊勢神宮には式年遷宮といって、20年ごとに社殿を建て替える儀式が1,300年前から今に引き継がれています。なぜ20年なのかについて、「宮大工に伝統技を引き継ぐため」ともいわれています。払い下げになった木材は、ほかの神社の鳥居となったり、社殿として使用されます。朽ちる最後まで貴重な木材が無駄にされることはないということです。社殿は20年ごとに遷宮され、お神札は毎年いただくものと言われます。古いお神札は一年中家族をお守りする使命を全うしてお焚き上げされます。その年の干支置物なども、基本的には再利用されず廃棄されます。

廃棄され、新しく作り直す。こういうことの中に「伝統文化を次世代に引き継ぐ」という大切な意味が込められているのを感じます。鏡餅についても、家にお鏡餅が飾られるのを見て「なぜ飾るの?」という素朴な疑問を子ども時代に持った時、その意味や歴史などを語り継ぐことができます。日本の民話や、鏡餅のようなならわしを継いでいくことでその深い意味について触れるきっかけになります。

鏡餅の「こころ」を家族で話す機会ができるとしたら、それはとてもいい効果を家族にもたらします。国の文化を誇れる気持ちは人のアイデンティティを築くチャンスになります。だから、プラスティックだろうとホンモノだろうとお飾りする意味はあると考えます。

dronepc55さんによる写真ACからの写真

 

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