
【2020年5月2日更新】
新型コロナショックにより、緊急事態対応時期が延長されました。そもそも新型コロナ禍により、土地や不動産の価値にどのような変化が起きるのかを予測しつつ、家を買うか借りるかについても検討が必要です。
有事に不動産価値はどう動くか
新型コロナ禍は、まるで戦時下の状態をつくりだしている世界状況にあります。ゴールデンウィークにも県をまたいだ外出自粛が、首相並びに各都道府県知事により叫ばれています。このような事態は、働き方をも変え、テレビから送り出されるコンテンツを変え、情報番組のあり方をも変えています。リモートワーク、リモート出演は当たり前で、撮影が必要なドラマなどはできないために、再放送番組があふれています。
コンビニやスーパー、ドラッグストアの店頭や配送業、巣篭りに必要なオンライン診察や自動で血圧や体脂肪などを計測できるシステム、オンラインダイエットやトレーニングなどの健康維持サポート、暇つぶしムービーや本、ゲーム、オンライン学習など在宅で過ごしながら世界とつながる暮らしが当たり前になるでしょう。その場合リモート生活の孤独にギスギスしないため、人に必要なオキシトシンやセロトニンなどの癒しホルモンを増やすためのサービスやモノも重要になるでしょう。
そうなると、わざわざ都市に住む必要がなくなります。つまり、都市の不動産は今後下落方向にあると言えます。電車での移動が当たり前ではなくなれば、特に駅近物件が有利とは限らなくなるということです。
有事に価値のある不動産とは
では、どのような不動産が有事に強いのでしょうか。有事と言っても核攻撃や今回の新型コロナ禍のようなもの、大地震や津波・台風などの災害などあります。リモートワークさえ可能ならばどのような家が良いのでしょうか。
南海トラフ地震に備える
活火山が多く地震大国日本ですから南海トラフ大地震以外にも、富士山の噴火予測などあります。固い地盤、土砂の起きない場所、火山から距離を置く、ハザードマップにのっていない地域など極力避けるべき項目はありますし、家を地震に強い災害シェルター化できる不動産は価値があると言えます。台風や水害に対しても、「洪水」「内水」「ため池」「高潮」「津波」「土砂災害」などハザードマップに指定されていないことが望ましいです。
ミサイル攻撃や細菌テロなど有事に備える
内閣官房は「国民保護ポータルサイト」の中で弾道ミサイル落下時の行動について示しています。度重なるミサイル実験で日本をまたぐような事態が起きていますが、日本核シェルター協会によればスイスとイスラエルでは100%、ノルウェーは98%、アメリカ82%、ロシア78%、イギリス67%、シンガポール54%が人口に対する普及率とのことですが、日本では0.02%にとどまっているそうです。韓国ではソウル市内の地下街、地下鉄、トンネルなどに4,000箇所弱、国中に約3万カ所に防災シェルターが設置されているそうです。
広島では地下道にいた人たちは助かった事例からも、地下は推奨されます。
ウィルス蔓延などで緊急事態・外出自粛発令時に備える
放射性物質や有害な塵埃、ウィルスの蔓延などから身を守り、外出自粛し自宅に籠らなければならないときに価値のある家とはどんなものでしょうか。家籠りする場合、運動不足になりがちですから体を動かすゲームや、カラオケ、楽器演奏、大音量での音楽鑑賞もいいかもしれません。そうすると、外部に音漏れしないような防音室が好ましいかもしれません。高気密住宅にすることで、ある程度遮音性能も高くなります。高気密住宅をキチンとつくれば家自体の耐用年数も伸びて価値が高まります。
【2019年3月20日】上昇“五輪地価”マンションか戸建てか論争にプロが終止符!?
と銘打ち、『ゴゴスマ』で特集を組んでいましたので参考にしながらまとめてみました。
五輪まであと一年とちょっととなり、建設ラッシュが続く中、住宅の買い替えなどで頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
「賃貸マンションに住んでいるが、子どもが大きくなる前に住み替えたい」
「子どもが結婚して夫婦二人になったが、マンションがいい?戸建てがいい?」
「五輪が終わった後の方がマンションが買いやすい価格に落ち着くといううわさもあるが、本当のところはどうなの?」
住まいをどこにするかは、家族構成や通学通勤の利便性などで悩むところです。『ゴゴスマ』では『5年後に笑う不動産』『不動産投資』などの著者である不動産コンサルタントの長島修氏をアドバイザーに迎え、様々な悩みにズバリ、終止符を打つべく質問が繰り出されました。
家を借りた方が得か?買った方が得か?
長島氏の答えは「不動産価値が落ちないものなら絶対持ち家の方が良い。」
つまり、物件価値が落ちるものに対してローンで取得した場合、「家賃をどぶに捨てるようなもの」といわれる賃貸物件に暮らすのと変わりない結果となるということです。ローンを払い終えたころには資産価値はなくなるからです。なので、不動産価値が目減りしない、しにくい物件を所有すれば、老後住み替えを考えた時、リバースモゲージをつかってに豊かに暮らすことが可能になります。
では物件価値が落ちないものの条件とはどのようなものでしょうか。
不動産価値が落ちない物件とは
世の中の不動産物件のうち、70%は「徐々に下落する物件」であり、15%は「価値がなくなる物件」といわれています。「価値が上昇する物件」はわずかに15%にとどまるわけです。ですができれば価値が上昇するか横ばいにとどまる15%の物件を購入したいものです。そうすれば、もし再び住み替えを考える場合でも資産価値が変わらず得になります。どんな物件が生き残れるのでしょうか。
■駅近ロケーション
5年前に家を探すときのキーワードは駅から10分以内、というものだったかが現在では駅から7分で探されるようになったそうです。時短傾向は今後も続くとされるので、駅近の家であることは重要だということです。家の価格は駅から1分離れるごとに100万円安くなるのが相場としています。
■人口流入が多いと不動産価格は上昇しやすい
不動産価格の下がりにくさは「駅近」「生活利便性」の他に、強い首長がいる地方自治体であると言います。人口が減少傾向にある日本では地方自治体は次第に「小さな行政」を行うように変化していくだろうが、様々な行政サービスをカットしていくときに、混戦するような選挙態勢にある首長は継続して選挙に勝ち続けることが難しいために、その理想である政治指針を貫く時間が与えられないケースが多く、人口増加のための安定的な施策ができにくいといいます。人口増加政策が成功して人口が流入すれば、不動産価値は相対的に上がる傾向があるそうです。
戸建てが得か?マンションが得か?
「不動産の価値は、一にも二にもロケーション」と長島氏。戸建てでもマンションでも「駅近物件」であることが大切、としています。都心に近い駅近であればあるほど、資産価値が下がりにくい強い物件となります。都心に近いということは「商業地域」が多く、戸建て住宅の数はぐんと減ります。
単身者率は今後も増え続け、必要とする住居の面積はどんどん小さくなっていきます。50㎡、60㎡ぐらいの1LDK、2LDK物件を都心で探すのはなかなか難しくなります。
結論として「同じ面積ならば、駅近マンション」が良いというのが長島氏のお話でした。
マンションを買う場合、五輪前が得?五輪後が得?
五輪で建設ラッシュとなっている現在は、建築価格が高騰し、つまり不動産価格も高騰するという噂がありますが本当なのでしょうか。だとしたら、この時期に高いマンションを買うよりは、価格が落ち着いた五輪後の方がいいのでしょうか。悩むところです。
長島氏いわく、先進国での五輪開催前後の不動産価格が大幅に異なるということはない、ということです。建設業界では常に人手不足が続いているので、五輪が終わったからといって建築の仕事自体がなくなるわけではなく、建築価格の乱高下は起こりにくい、とすれば不動産価格も大きな差は生まれないという見方をしていました。それよりも、消費税増税や金利が上下する問題による影響がありそうだとしています。
消費税増税が施行されれば(※10月予定)消費税が8%から10%に上がるので、その前に取得しておく方が得となります。金利については、今のところ金利が上がるということはなさそうだが、今後の経済状態により変動は起こりえます。景気全体の空気があり、買い替えたい機運ができるのかどうかという感覚になるかどうか、物件購入への背中を押されるかどうかによっても変動するので予測は難しい。だから、
「ローン融資で買う場合、気に入った条件のいい物件をあなたのお財布で買えるなら今買うのがおススメ。不動産価格が下がるまで待とうという時に、金利が上がっていることが多いので」という長島氏でした。
買うなら「駅近7分以内、小さめのマンション」を今
ということで、結論は「駅近7分以内、小さめのマンションを購入する」のが得、ということでした。
「だけど、高いんですよね~。(都心の駅近マンションは)」というコメントは私たちの言葉を代弁するものでしたね。
どうやったら優良物件がお買い得に買えるんでしょうか。それに対しては、「不動産の持ち主は個性的な人が多い。株価と違って、一概に相場通りに売りたい人ばかりではなく、気に入った人にはお手頃価格で譲ってくれることがある。」と長島氏。
不動産屋さんと懇意にして普段から良さそうな物件を教えてもらうなどは背負うリーとしても、ほかにも有効な「物件情報」のゲットの仕方ってあるのでしょうか。気になるところです。「探しはじめてすぐに良い物件と出会う人もいれば、長いこと探していても良い物件に巡り合えないこともある。不動産との出会いは結婚と同じ。」
年を取って間取りが会わなくなった家は建て替えるべき?住み替えが得?
団塊世代など人口ボリューム世代の家というと、都心から離れた郊外であったり、駅からの距離があって、自動車をもって住んでいるということも多いはずです。そのようなケースでは建て替えを考えるより、生活の利便性を優先した場所への住み替えの方がよいということもあります。自動車を持たない暮らしになったり、庭の手入れがおっくうになる老後の暮らしを考えるならば、住み替えがお得かもしれません。
住み替えなどで空き家になった実家などは、将来の使い道のめどが立っている場合を除いてはすぐに売りに出すことを考えたいです。
人口の減少に加えて、空き家はどんどん増え、競争が年々高まるからです。誰かに貸すことを考えた場合は、リフォーム費用と家賃で事業計画が立なりたなければなりません。そうした当てがない場合は即刻売りましょう。「99%の物件は、一秒でも早く、売った方が得」とのこと。空き家にしておけば家の痛みは早く、半年で人が住める状態ではなくなるので、「今が一番高く売れるとき」と割り切って処理しましょう。
建て替えするにも 住み替えするにもロケーション、高齢化による生活の利便性を考えた対処が必要です。
年を取ると賃貸住宅が借りられないというのは本当ですか?
「ウソ。現在、高齢者の入居は断られることがありますが、その理由は孤独死されるのが嫌だから。これに対する大家さん向けの「孤独死保険」が出始めたので問題は解決するだろう。」賃貸業者も高齢者の方にドンドン借りてもらわねば商売が成り立たないのです。
中古マンションを買うなら築何年がねらい目?住人のあなたも不動産投資家
こうして長島氏のお話を中心にまとめてきましたが、言っていることは不動産投資セオリーだと思いました。つまり、住んでいる人は全員「不動産投資家」なんですね。日本に住んで世帯主にとなっている人がすべて投資家であるということを意識する必要があるのかもしれない、という気がしてきました。中古マンションは築何年ぐらいがお得な買い物ができるのでしょうか、という質問に対しては、
「20年目がねらい目。」と長島氏。不動産投資家としての目で、下落率が高いのが築20年。価格が下がりきったあたりでその後は下がりにくい。マンションの管理状態をよく観察して、価格に対してお得感のある物件が出てきやすいそうです。
不動産は、お得を運んできてくれるモノでもあるのです。
懇意にしている不動産投資の先生によれば、物件選びのポイントは三つあるとのこと。
■収益力
これは、人に貸すことを想定したものになります。収益力とは利回り、ROI(投資した資本に対して得られる利益)、返済比率などで、その物件の収益力というものを判断します。
■担保力
その物件に担保価値があるかどうか。お金を借りて物件を購入する場合には、不動産を担保にすることがやはり多いのです。
■稼働力
稼働力は、不動産の人気度を測るものであり、人気物件は情報がネットに流される前に次の入居者が決まってしまうことが多いものです。3月13日に入居可となった時点で13日から入居される人が決まれば、その部屋の空室率は限りなく0%になります。駅近物件だと稼働率はあがります。
今買うなら新築マンション?中古マンション?
オリンピックの崖はおきるのか?不動産コンサルタントの長嶋氏によれば、先進国においてはオリンピック後の景気後退による、不動産価格の下落は「NO」とのこと。
そのうえで新築、中古マンションどちらがプロから見たらおススメなのでしょうか??
現在の新築マンション、首都圏で6300万円、東京23区7800万円。2002年74㎡、2018年63㎡と新築マンションは狭くなっているうえに、クオリティーが下がっている傾向があるそうです。共有部がチープになっていたり、きっちん、ユニットバスなどもチープになってきていると言います。2002年~2003年に建てられたマンションは景気が悪く、広くてグレードの高い良いマンションの価格が低く抑えられている。浴室乾燥や追い炊き機能などもついている場合がある。新築マンションは20年ぐらいまで下落率が高く、そこからは値段が下がらない。15年ぐらいで大規模修繕が終わっている場合が多い。といいことづくめだそうです。
マンションの雨漏り、上下や隣人のクレーマー対策はどう知ればよいのでしょうか。必ず管理人さんや住人の方に声をかけて聞き込みをするのはとても有効だそうです。(木曜日の夜がねらい目?)
家を買う場合、売る場合に良い不動産屋
買主にとって住宅資金、教育資金、老後資金のバランスを考えてサポートしてくれる不動産さんはOK。
査定額の根拠と物件の売り方を丁寧に説明せてくれる不動産が、売る場合には良い。
家を買う場合、売る場合に良くない不動産屋
買主に合った物件ではなく、自分の売りたい不動産を進めてくるのは、ダメ。
最初は高い見積もりを出して、後から買いたたくような不動産屋はダメ。最初の合い見積もりで望外に高く言ってくるところは、切った方が良い。
いい物件を紹介してもらうコツ
不動産やさんに自分が欲しい物件を良く知ってもらうために、紹介してもらった不動産についての感想を伝え、よく質問して物件情報をえるなど、不動産担当者との密なコミュニケーションをとることは大切です。
代々住み続ける時のサイクル
人々が身軽になって、住み替え住み替えして一生を送ることが普通になってきました。都心部の地価の高騰によって相続税を払えなくなり、代々の土地を売ったり、マンションを建てたりして土地活用しなければ、普通の住宅で住み続けることができなくなりました。都市計画によるものであり、日本の発展、街の発展のために土地が流通することは必要不可欠だったのです。
でも、昔から地方でも多かれ少なかれ土地の栄枯盛衰はあって、新興住宅地が時代時代に開かれては、古い町は寂れて朽ちていきます。そうした土地には空き家が多いのも確かです。相続はしたものの、土地は放置され活用されません。地相・家相を見るうえでもその土地の3代目で役割を終え、4代目が再興するサイクルがあります。土地に関する運が4代目によって転換するというものです。
子どもの第一子は伝統を守り過去に生き、第二子は現在ただ今に生き、第三子は理想の未来に生きるとシュタイナー派は語っています。そして第四子は第一子の役割を担うというのですが、人が棲みつく土地も同じ法則を持っているというのは面白いです。
土地が持つ性質や意味とは
古代では、開墾した土地は開墾した人のものだったのでしょう。やがて村同士が統合されていき国となっていくのですが、国民が増えて食い扶持を耕作するために開墾が必要であったので、開墾した土地は開墾した人のものと決められました。そのフチの中から、国に税金を納めたのです。基本的には今も同じです。良い働きをして不動産を入手し、事業に、住居にと使用します。
人間の寿命は長くなり、80年以上となっています。ところが企業生存率となると、厳しい現実が見えてきます。
起業後5年の生存率は日経・国税庁調べで15%、10年後となると日経4%、国税庁6.3%となっています。100年も続く企業となると0.2~0.3%ともいわれています。100年、家系のものとして持っている土地というものは農地や住居以外にはほとんどないとも言えます。起業生存率から透けて見えるのは「不動産の入れ替わりは結構激しいんだな」ということ。
そんな統計を見ていると「土地も家も、仮の宿」だと感じていた昔の文芸人と同じ気持ちにもなります。所有していようが借りていようが、それほど大きな差はない、ということです。100年足らずの生涯で、仮に宿る場所なのです。土地が元気なうちに(買いたいという人がいるうちに)流通させていくという考え方にシフトした方が自然なのだろうという気がしてきました。
遷宮といって、お宮を移すときや移す場所は非常に繊細に決められ、何千年も同じ場所に鎮座ています。その国を守る「宮柱」はそう簡単に動かしてはならないようです。しかし、一般の住宅が国柄をまもる宮柱として機能するのは100年が限度という考え方ができるということなのでしょう。
住み替えることは、運も転換することになり、その人が初代となって人生を切り開くという意味でも果敢な挑戦と言えます。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。