耐震等級だけでは測れない!2020災害後も住み続けられる住宅メーカーランキング15選 坪単価 保証 販売戸数 災害被害

災害後住み続ける家2



家づくり計画真っ最中の建築業界人Babaです。

自然災害が年々増えている感じの地球です。今後、家をつくるなら絶対災害に強い家がいいですよね。今、多くの一流メーカーにとって地震に強い家を提供することは”常識”となっている今、さらに進化して「繰り返す災害に強い家」「災害後も住み続けられる家」が求められています。災害後も住み続けられる住宅メーカーには、どのような工夫がなされているのでしょうか。しらべてみました。

耐震性能だけでは測れない”家の強さ”

地震への強さを測るものに、国で定められた耐震等級というものがあります。

耐震等級1
(建築基準法の耐震性能を満たす水準)
・数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)で倒壊・崩壊しない
・数十年に一度発生する地震(震度5程度)で損傷しない
※建築基準法に準じていても、震度6~7程度の地震に対して損傷を受ける可能性があります

耐震等級2
等級1で想定される1.25倍の地震に耐える
※主に学校や病院などは耐震性能等級2が求められる

耐震等級3
等級1で想定される1.5倍の地震に耐える
※主に消防署や警察署など防災の拠点となっている建物は等級3が求められる

耐震性能+制震性能が必要

2016年4月14日、熊本をマグニチュード6.5の大地震が襲い掛かりました。その被害状況も把握できない2日後、さらに激しいマグニチュード7.3の地震が起きたのです。

最初の地震を「前震」後のものを「本震」とされたのですが、前震を含めた余震は、必ずあるとされています。地震発生から3か月の間になんと1800回以上の余震がつづきました。

一つの地震に耐えても、次も、その次にもやってくる揺れに対処しきれなくなると、家は倒壊します。ただ、耐震性能が高いというだけではなく、揺れが家に直接ダメージとならない仕組み、つまり「制震性能」「免震性能」が家には必要なんですね。

家の性能劣化を遅らせる

さらに言えば、経年劣化を押さえ、家の初期性能をいかに持続させるかが、災害後もその家に住み続けるために必要な条件となります。

耐震診断で重要視されることは
1.シロアリ被害はないか
2.一階に車庫やピロティ、二階持ち出しがないか
3.増築していないか
4.基礎にヒビがないか
5.一階に大きな窓があったり、壁量が少なくないか
6.昭和56年以前の耐震基準で当てられた家でないか

ということがあります。家の形、施工時の手抜きやミス、シロアリの有無が、家の耐久性に大きな影響を与えます。

家の寿命は26年という時代もありましたが、現在では技術も向上し100年、200年住み続けられる家も出てきています。長期保証制度をもつメーカーが増えたことは、耐久性への自信を裏付けています。

ライフラインの確保

災害があってもその家に住み続けられる最強の家とは、結局、サバイバルできる家といってもいいでしょう。農林水産省のデータによれば阪神淡路大震災や東日本大震災時で電気は7日、ガスは3か月復旧にかかるというものがあります。水道は90日、電話は6日といわれています。※管などの耐震性能の向上で復旧が早くなった。

なかでも電気と水を切らさない工夫が為されている家は頼もしい限りです。

ということで「耐震性+制震性」「耐久性」「ライフラインの確保」に工夫があるハウスメーカーをとりあげました。

災害後も住み続ける工夫があるハウスメーカー15選

ハウスメーカーの以下の内容について調べました。
・コンセプト
・構造
・およその坪単価
・保証期間
・2019年販売戸数 出展( )は2018年
・耐震等級
・制振装置
・これまでの災害での被害状況 出展元
・住み続ける工夫 

一条工務店

コンセプトや商品名 
家は、性能。「夢の家I-HEAD工法」

構造 
木造ツインモノコック構造 

およその坪単価
48万円~83万円/坪

保証 
初期保証10年※10年ごとメンテナンスをすると30年年まで延長可

2019年着工件数(2018年その他)
1万3000棟以上(1万2000棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
一条ハイブリッド免震工法(メンテナンスフリーで耐用年数60年)を併用できる※+4.2~4.5万円/坪

これまでの災害での被害状況
阪神淡路大震災での全半壊0

住み続ける工夫
・超耐震テクノロジー(阪神淡路の1.5倍の力で上下左右に揺らし10回以上の耐震実験に気密性も失われず)※木質耐震シェルターも販売
・床下と1階の構造材のほぼすべて、1階の断熱材、バルコニー、破風板にも防蟻処理 
・防犯ツインLowーEトリプル樹脂サッシ
・大容量太陽光発電 
・工場生産率80%で高品質を保つ
・地盤調査の上地盤改良

HP

住友林業

コンセプトや商品名 
「災害に強く、在宅避難できる家に」レジエンスプラス

構造 
木造軸組み  

およその坪単価
60万円~100万円/坪

保証 
初期保証30年※60年まで延長可

2019年着工件数(2018年その他)
7,738棟(7,900棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
制震ダブル工法 高剛性・高減衰ゴムマルチバランス工法

これまでの災害での被害状況
阪神大震災 全壊1軒 半壊3件

住み続ける工夫
・地震エネルギー吸収パネル
・暴風雨防水実験
・72時間を乗り切る防災リフォーム可(電力・水の確保 )
・エコキュート

HP

トヨタホーム

コンセプトや商品名 
「災害に一番強い家を。」

構造 
鉄骨ラーメンユニット構造  

およその坪単価
55万円~80万円/坪

保証 
初期保証/
基礎、躯体30年、
外壁、床、屋根20年
雨水侵入部分15年
※以上は60年まで延長可
虫害、付帯設備10年

2019年着工件数(2018年その他)
4,122棟(4,308棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
制振装置T4システム(車のサスペンション技術を応用)

これまでの災害での被害状況

住み続ける工夫
・耐震ラッチ 家具扉
・車と家庭を結ぶ充電・給電システム 家庭用燃料電池
・雨水利用タンク 飲料水用タンク
・防耐火性外壁
・感電ブレーカー・火災警報器
・瓦ロック工法
・あわせ複合ガラスで飛散防止
・雨水の侵入を防ぐ
・構造体のさび発生を防ぐ(防さび技術で100年の耐久性)
・屋根ルーフィング剤
・外壁二重構造
・水みつ性高いサッシ
・プールと同じ構造のバルコニー
・全館空調 スマートエアーズ
・3m深い軒で日差しを遮る
・ヒートショック温度差をなくす
・勾配の緩い階段
・壁の角の面取り

HP

ミサワホーム

コンセプトや商品名 
耐震の、その先へ。

構造 
木造軸組み構造、木質系パネル(モノコック)住宅  

およその坪単価
60万円~75万円/坪

保証 
初期保証/
構造体35年
防水30年
シロアリ10年
設備5年(5年延長可)
仕上げ2年保証

2019年着工件数(2018年その他)
6,107棟(6,508棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
揺れを抑える木造用制振装置(制震装置MGEO-N63)

これまでの災害での被害状況
地震による倒壊0

住み続ける工夫
・仕上げ材の損傷ゼロを目指す
・我慢しない省エネ。全棟ゼロエネルギーへ。
・CO2マイナス住宅へ。
・災害前の「備え」、災害時の「守り」、そして災害後の「支え」まで、3つのステップでトータルに安心を提供する防災・減災ソリューション「MISAWA-LCP(災害後の生活継続性能)」で自宅避難可能な家。
・十分な備蓄を可能とする大収納空間「蔵」や「ローリングストック収納」
・太陽光発電や蓄電池、雨水利用システムといった技術

HP

ユニバーサルハウス

コンセプトや商品名 
「災害から家族を守る」

構造 
木造金物工法 

およその坪単価
40万円~55万円/坪

保証 
初期保証/
地盤、構造体10年
防蟻5年
※10年ごとメンテナンスをすると30年年まで延長可

2019年着工件数(2018年その他)
(約1,900棟)

耐震等級
2※震度6強から7の1.25倍に耐える

制震・免震システム
・揺れを抑える木造用制振装置(制震装置MGEO-N63:ミサワホーム)
・敷き詰めてみっ封した砂利が振動を吸収

これまでの災害での被害状況
全国の大震災で全半壊0

住み続ける工夫
・ハイパーフレーム工法
・軽量スレート瓦「屋根で減震」
・高性能外壁材ALC 「高い耐火性」
・剛性床「外力に抵抗して変形を防ぐ」
・床下がなく地震水害に強い 地熱床システム
・太陽光発電で創電
・蓄電池でエネルギーを蓄える
・EVコンセント

北洲ハウジング

コンセプトや商品名 
「地震に強い家づくり」

構造 
床・壁・屋根が一体となったモノコック構造 

およその坪単価
65万円~100万円/坪

保証 
初期保証/
構造体、防水、防蟻10年
30年目まで5年ごと9回の無償点検
60年まで有償点検制度

2019年着工件数(2018年その他)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
・「サステナブル耐震」仕様 ゴムで吸収する制震ダンパーMIRAIE(ミライエ)
・外力に強いツーバイシックス。

これまでの災害での被害状況
東日本大震災で居住に影響なし95%

住み続ける工夫
・液状化に強い地盤改良工法 ハイスピード工法
・隙間をつくらない
・耐震プレート
・基礎水平ハンチ
・木割れ防止釘
・全館空調(冷暖房と調湿換気一体か)
・太陽光発電※大容量蓄電池搭載可能

HP

パナソニックホーム

コンセプトや商品名 
「災害時もずとっ暮らせる安心を」

構造 
制震鉄骨軸組み工法、大型パネル工法 

およその坪単価
70万円~100万円/坪

保証 
「35年あんしん初期保証」
構造躯体を35年
防水30年※60年まで延長可
「10年地震あんしん保証」
建て替え保証10年※条件アリ

2019年着工件数(2018年その他)
4,268棟(5,120棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
・高耐力制震フレーム 基礎工法

これまでの災害での被害状況
阪神淡路大震災、新潟中越地震での全半壊0、熊本地震で構造体の交感を必要とするものはなし

住み続ける工夫
・防災力が持続できる家
・強い構造 
・家が自動で災害に備える(蓄電開始、シャッター閉め)「HomeX」
・落下防止収納
・停電しても電気が使える創畜連携システム
・3日分の飲料水を確保できる貯水システム 43ℓ
・換気システム(精密機器工場のクリーンルームにも使用されるHEPAフィルター)
・地震あんしん保証
・耐震等級など性能を選択できる

HP

ヘーベルハウス

コンセプトや商品名 

構造 
ハイパワード制震ALC構造 

およその坪単価
70万円~90万円/坪

保証 
初期保証/
構造躯体、防水30年
主要な住宅設備10年
60年目まで点検無料、延長保証

2019年着工件数(2018年その他)
9,111棟(9,849棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
制震クロス ハイパワードクロス

これまでの災害での被害状況

住み続ける工夫
・65年耐久基礎。強度を大幅に上げるコンクリート
・連続布基礎
・外壁の脱落・損傷を押さえるロッキング工法

HP

セキスイハイム

コンセプトや商品名 

構造 
鉄骨のボックスラーメン構造 

およその坪単価
70万円~85万円/坪

保証 
最長30年保証※5年ごとの定期点検必要、部位により保証期間が異なる
磁器タイル以外の壁10年

2019年着工件数(2018年その他)
10,200棟(10,200棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
・耐震性 独自構造体  
・ハイブリッド耐震ガイアス(「粘り抵抗型」と「強度抵抗型」の2種類の構造を組み合わせ、しなやかにかわして衝撃分散)

住み続ける工夫
・べた基礎
・大容量ソーラー
・蓄電システム
・スマートハイムナビ

HP

大成建設ハウジング

コンセプトや商品名 
「地震に強い家」パルコン 災害時にも自立生活できる

構造 
鉄筋コンクリート壁構造 

およその坪単価
70万円~90万円/坪

保証 
初期保証/
構造体、雨漏り15年
最長60年 5年ごとの無料点検

2019年着工件数(2018年その他)
(約1,000棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
※免震工法・制震工法は不必要
大地震にも大きな変形がない

これまでの災害での被害状況
全て倒壊0

住み続ける工夫
・揺れが増幅される、大地の揺れとの共振を起こすことはまずない
・地盤調査、基礎改良
・高性能な接合技術 緩まない接合部
・気温変動が少ない蓄熱体であるコンクリート
・超大型台風や竜巻にびくともしない
・水を通さない防水性
・土砂にも負けない
・ZEH対応(太陽光発電蓄電システム)

HP

ヒノキヤグループ レスコハウス

コンセプトや商品名 

構造 
コンクリート WPC工法 

およその坪単価
60万円~95万円/坪

保証 
住設保証7種10年
建物は35年まで始は1年ごと、それ以降は5年ごと無料点検

2019年着工件数(2018年その他)
(3,195棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
※免震工法・制震工法は不必要
大地震にも大きな変形がない

これまでの災害での被害状況

住み続ける工夫
・標準重量125t水に浮きにくくフロート現象を避ける
・揺れ・火・風雨から家を守る
・圧縮 プレキャストコンクリートPC50N/mm2 竜巻突風
・大地震時に共振しない

HP

百年住宅

コンセプトや商品名 

構造 
PCパネル壁式工法 

およその坪単価
50万円~70万円/坪

保証 
初期保証/
構造躯体35年
防水10年

2019年着工件数(2018年その他)

耐震等級

制震・免震システム

これまでの災害での被害状況
全てガラス窓一枚の破損もなく無傷

住み続ける工夫
・現場打ちでない方練りコンクリート
・鉄筋と協力に一体化したパネル
・リブとシェルで薄く強い壁
・箱型構造
・地震と固有周期が違うので共振しない

HP

株式会社LIXIL住宅研究所 アイフルホーム

コンセプトや商品名 
レジリエンス住宅CH14

構造 
PCパネル壁式工法 

およその坪単価
25万円~65万円/坪

保証 
初期保証/
構造体・防水保証10年※最長30年まで。
耐震建て替え保証10年
設備保証10年無償修理
20年まで無料点検、希望により最長60年まで点検

2019年着工件数(2018年その他)
(3,306棟)

耐震等級

制震・免震システム
アイフルホーム次世代制震システム「EVAS」

これまでの災害での被害状況
阪神淡路大震災、新潟中越地震にて全半壊0

住み続ける工夫
・適切な地盤調査
・優れたバランスの耐震設計 高耐力コア壁
・グランドスクラム工法で耐震力
・防水性、耐風性、耐候性の高い高性能壁や屋根
・太陽光発電
・スマートハウスの進化系 
・非常時も安心して暮らせる
・病気に対する免疫力を高める
・家族やご近所との絆をはぐくむ
・太陽光発電(4kW)と自律コージェネレーション(1kW)
・ミニマムライティングと地窓から創風
・ゼロエネルギーを超えたお金を稼ぐ家
・HEMSがロボットに進化
・停電後1か月自律して暮らせる
・玄関に備蓄する収納
・ブルーライトを85%カット
・玄関の手前に手洗い、玄関脇には収納スペースが設けられ、花粉やウイルスが付着したコートを家の中に持ち込まない

HP

クレバリーホーム

コンセプトや商品名 
地震に強い家

構造 
木造軸組み工法とツーバイフォー(モノコック工法) 

およその坪単価
30万円~80万円/坪

保証 
初期保証10年※10年ごとメンテナンスをすると30年年まで延長可

2019年着工件数(2018年その他)
(約1,800棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム
制震装置「J-ECSS」

これまでの災害での被害状況
新潟中越地震 全半壊0

住み続ける工夫
・通し柱を増やし、1階と2階を一体化
・高性能HSS金物でつなぐ
・門型フレーム
・モノコックには軽量で強い
・強度が強く安定した構造用集成材
・北欧の赤松を柱に使用

HP

ウェルネストホーム

コンセプトや商品名 
ドイツに学ぶ低燃費高性能健康住宅

構造 
木造軸組み工法とツーバイフォー(モノコック工法) 

およその坪単価
65万円~110万円/坪

保証 
躯体構造10年※部位により2年
防蟻 「緑の柱」部分20年

2019年着工件数(2018年その他)
(5年間で550棟)

耐震等級
3※震度6強から7の1.5倍に耐える

制震・免震システム

これまでの災害での被害状況

住み続ける工夫
・C値0.2cm2/m2(一条工務店:0.59)
・ダブル断熱185mm(一条:190)
・屋根断熱300mm(一条:235)
・Ua値0.26(一条:0.25)
・トリプルガラス樹脂製サッシU値0.78W/m2k
・「緑の柱」採用。屋外30年シロアリ被害なしの高耐久
・遮音性100分の1
・熱交換換気システム
・エアコン1台で部屋間温度差2度以内
・漆喰調湿13ℓ/一軒

HP

災害後も住み続けるためにハウスメーカーが考えていること

耐震性能+制震システム

「地震に強い家」「災害に強い家」をつくるために、何百回何千回と実大振動実験を繰り返すハウスメーカーさんはものすっごい努力を重ねています。

その努力と工夫は独自の工法や製品に結実し(涙)、今やおもだったハウスメーカーでは殆ど耐震等級3を取れる商品をもっています。

とうぜん、近年の地震研究成果を、自社製品開発に生かしており、制震技術も向上し、初期保証が30年というメーカーもちらほら見えます。

保証期間を長くとれるのは、技術に自信があるからです。地震大国で発展した耐震、制震技術は世界に誇れるものではないでしょうか。

耐久性を確保する高気密・高断熱化

シロアリに食われたり、腐ったり錆びたり、コンクリートがひび割れたり、雨漏りする、「虫」と「水」の被害により家の耐久性がおちてしまうという、ということを防ぐことは、高温多湿の日本では地震対処よりももっと難しいようです。

繰り返す地震でひび割れたコンクリートから水が入り、中の鉄筋を錆びさせます。ルーフィングが破れて漏水し、カビを発生させます。少しの隙間から白アリが入り込んだが最後、木だけではなく断熱材を食い荒らして、家はボロボロになっていきます。

漏水、雨漏り、結露対策のために、高気密高断熱性能の高い家は有利と言えます。施工が丁寧で、窓を樹脂製のトリプルガラスをつかうくらい気密性を重視するメーカーを選ぶ人がますます増えるのではないでしょうか。コロナなどウィルスやPM2.5などへの対策もしやすいからです。

もう一つの難題であるシロアリへの保証は5年とか10年というところがおおく、防蟻(ぼうぎ)の難しさをものがたります。シロアリ対策が完璧に出来たら、そのメーカーで家をつくりたいかも。その点、ウェルネスとホームが使う「緑の柱」には興味津々です。

7日間生き延びるライフラインの確保

大きな災害時、ガスや水道が復旧するのは3か月後です。電気は7日後ということで、7日間電気がなくても暮らせる家の備えをしておきたいです。備蓄品などをストックする場所を確保し、雨水利用、太陽光発電+蓄電システムがはじめから搭載できる家であってほしいです。

住宅引き渡し日から発生する保証

大きな地震が起きて家が損壊した場合、地震保険をつかう人が多いでしょう。ただ、地震保険は火災保険とは違って、新しく建て替えた場合、その全額が保険金として出るわけではありません。

だからこそ、地震で家が傷んでしまったときのハウスメーカーの保証は心強いものです。「地震で全壊、半壊」した際に建て替えたり修繕できる保険がついた商品も登場しています。「そんじょそこらの地震では壊れない」という自信の表れでしょう。

保証内容はメーカーさんの実績を表す一つの指標になり得ます。安心を買うことができます。

過去の災害状況と30年以内予測

災害大国日本というのは、あながち噂ばかりでもないらしく、ドイツのシンクタンク「ジャーマンウォッチ」の報告によれば、気象災害による日本の被害総額は2018年で358億ドルを超えて世界一位だったそうです。

下の図は2016年から30年の間に震度6以上の地震が起きる確率を示しています。住んでいる地域がどれぐらいリスクを背負っているかの判断材料になります。
30年地震予想
地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図2018年度版

胆振地方中東部地震2018年9月6日
・震度7
・住家全壊 469棟
・住家半壊 1,660棟
・住家一部破損 13,849棟
大阪府北部地震2018年9月18日
・震度6弱
・住家全壊 21棟
・住家半壊 483棟
・住家一部破損 61,266棟
熊本地震2016年4月14日
・震度7
・住家全壊 8,667棟
・住家半壊 34,719棟
・住家一部破損 162,500棟
東日本大震災2011年3月11日
・震度7
・住家全壊 121,996棟
・住家半壊 282,941棟
・住家一部破損 748,461棟
新潟県中越沖地震2007年7月16日
・震度6強
・住家全壊 1,331棟
・住家半壊 5,710棟
・住家一部破損 37,633棟
新潟県中越地震2004年10月23日
・震度7
・住家全壊 3,175棟
・住家半壊 13,810棟

地震は日本全国、どこで起きてもおかしくないという印象のデータです。
地震日本地図
気象庁HP

東日本台風・豪雨2019年10月6日
・住家全壊3308棟
・半壊3万24棟
・一部破損3万7320棟
・床上浸水8129棟
・床下浸水22892棟

最高気温や豪雨の雨量など「観測史上最高」というニュースを耳にすることが多くなってきています。
災害後持続可能な家
国土交通省「24時間降水量の期間最大値2018年6月28日~7月8日

西日本豪雨2018年6月28日~
・住家全壊6758棟
・半壊1万878棟
・一部破損3917棟
・床上浸水8,567棟
・床下浸水21913棟
九州北部豪雨2017年6月30日~
・全壊336棟
・半壊1096棟
・一部破損44棟
・床上浸水180棟
・床下浸水1481棟
関東・東北豪雨2015年9月7日~
・住家全壊81棟
・半壊7,044棟
・一部損壊384棟
・床上浸水2,481棟
・床下浸水13,149棟

建て替えやリフォームの際に担当者にするべき3つの質問

阪神大震災における「神戸市内における検死統計」(兵庫県監察医、平成7年)によれば、亡くなった方の83.3%は建物の倒壊による圧死で、焼死は12.8%にものぼりました。もらい火や電気火災によるもので、そのうち6割が、電気が復旧して通電した際に起きた火災による二次災害といえるものでした。二次災害をなくすために、収納物の飛散防止や、避難ルートの確保なども「家づくり」の課題として重く捉えられます。

エネルギーを一括管理できるスマートハウスをZEH(ゼッチ、ゼロエネルギー住宅)にし、平常時のしなやかな免疫力と災害時の強い回復力を併せ持つ住宅「レジリエンス住宅」へと日々進化する日本の住宅です。災害大国であることは考え方と技術を向上させているようです。

今後家を建て替えるときに担当者には以下の取り組みを質問してみましょう。

■家の耐震性能+制震システムについてどんな方法を使っていますか?
■家の耐久性をどのように確保していますか?(シロアリや結露対策、省エネルギー対策、換気方法)
■災害後に住み続ける工夫はありますか?

この三つの質問は家の強さを知ると同時に、長く健康生活ができるキーワードとなります。

トップ画像出展元:フォトサラキリアンUnsplash


 

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