桜の開花予想に「600℃の法則」なるものがあると知りました。2月1日からの累計気温が600℃を超えると開花する、というものです。2019年の場合は3月19日時点で累計604℃であり、東京の標本となっている靖国神社にある樹齢180年の桜が二輪花開いていたとレポートされていました。開花宣言がでるのは5輪、6輪からなので、19日の開花宣言は見送られました。20日の最高気温は20℃を超えるとのことで、20日の開花宣言もあり得るとのことでした。10時半ごろですでに現地では21℃越えとなっていますが、午前中の開花宣言はありませんでした。午後2時で4個。
桜の花が咲く法則には、桜の花が咲く前の10月から1月までの気温が高いかどうかにも影響されるようで、なかなか難しいようです。秋口から冬にかけての気温が低いほど、桜は早く咲くようですね。そして、桜の期間中寒の戻りがあると桜の命が長くなるそうです。
桜の開花と共にやってくる春分の日は、年度末の仕上げを終えて新しい年度が始まる日です。撒いていた種が芽を吹き、桜は開花を始めます。
2019年3月21日の春分の日は満月と重なります。ちょっと特別感がありますね。しかも、事前に開花宣言されそうな祝福が送られています。
春分の日はお彼岸(ひがん)のお中日
2019年の彼岸の入りは3月18日、彼岸明けは3月24日となります。その真ん中に春分の日があり彼岸のお中日と呼ばれます。
■彼岸とは
仏教の言葉で、彼岸とは「悟りの境地」に達した世界のことをいいます。仏僧は悟りを目指して修業を積む人々です。春と秋のお彼岸の期間は、特に設けられた修行期間だといえます。修行は「六波羅密多(ろくはらみた)」の実践をすることです。仏陀が菩提樹下で悟ったとされる「八正道」の実践であり、「布施(ふせ)、持戒(じかい)、精進しょうじん)、忍辱(にんにく)、禅定(ぜんじょう)、般若(はんにゃ)」という6つの波羅密多を行います。
・布施とは誰かに何かを与える行為で、顔施(がんせ)という笑顔のお布施もあります。
・持戒とは自らに課す「お約束」です。間食はしないと決めてそれを実行することも持戒です。
・精進とは勉学や仕事、修行に打ち込むこと。
・忍辱とは耐え忍ぶこと。大坂なおみが試合に勝つときは「がまん」を意識していると言います。感情の爆発を耐え忍ぶことです。
・禅定とは瞑想すること、古神道でいえば鎮魂(ちんこん)することです。
・般若とは宇宙の叡智のことです。悟りそのものといえます。大局から物事を俯瞰する見方を学びます。
みずから、彼岸にはいるために精進する期間が、お彼岸ということです。春分の日をお中日としたのは、年度が本格的に替わる日であるとの認識があったのではないでしょうか。春分の日の前には修行で身ぎれいにし、春分の日に真西に沈む太陽を拝みながら新年度を迎える準備をしたのではないでしょうか。
日本人の場合、死んだ人を「仏さん(本来は仏陀のこと)」と言いますし、お仏壇にはご先祖の位牌と共に、その中心には阿弥陀如来や大日如来が鎮座します。「如来」とは悟りを開いた人であり、彼岸にいらっしゃる方です。お彼岸期間にお墓まいりをするという習慣は、彼岸にいるご先祖に会うために行った日本独自の習慣だそうです。
もともと彼岸を目指す人の修行期間だったということで、上記のような行いを気を付けることはとってもいいことだと思います。
■お彼岸の食べ物
日本の家の行事には仏教由来のものもすごく多いです。仏教に対する違和感はなく、筆者自身20数年にわたり仏道修行を行っておりました。婚家の宗派は浄土宗です。家の行事も愛知県西部の浄土宗の影響が色濃いと思われますので、少し解説します。お盆の初日に「お迎え団子」をお供えしますが、お彼岸には「彼岸団子」をお供えします。お迎え団子は、小豆でくるんでいますが、彼岸団子は平べったい丸型のお団子です。これをお彼岸にはお供えし、おさがりを焼いてしょうゆや甘辛でいただきます。
一般的には初のお彼岸にいただくのは「ぼた餅」で、あんこでくるんだお餅です。これが秋のお彼岸には「おはぎ」と呼ばれます。
小豆には邪気払いの意味があるので供えられたということです。瞑想や禅定の時に邪気払いをするための食べ物だったのでしょうか。
小豆や大豆は鬼を祓うのによく登場します。
外国の春分の日の行事
春分の日は、太陽が黄道12宮の最初の牡羊座に入る日であり西洋占星術では1年の始まりとされます。マヤ暦でも春分を基点にお正月が算出されるそうです。このように、洋の東西にかかわらず始まりや区切り日となっています。
太陽が真東から昇り真西に沈んで昼と夜の長さがほぼ同じになるこの日は、世界各国で祈りが捧げられたり、お祝いがおこなわれています。日本では、お彼岸として定着しており、キリスト教圏では春分後の最初の満月にキリストの復活祭(イースター)をお祝いします。また、エジプト由来の太陽暦であるイラン暦でも「ノウルーズ」と呼ばれる元日が春分の日となっています。イランを中心に、中央アジアからアフリカにおよぶ広い地域で、祭日として祝われているようです。
世界中で”初めの日”とされている春分に、太陽が新しい軌道を歩み始めるので、新たな目標を立てたり新しいことを始めるのに適しているのですね。春分の「始まりのエネルギー」を使って、新たな年度初めの開運行動を行いたいです。
空間を整える
「始める日」である春分の日前には、自分の心や体を身ぎれいに整えることはとても大切に思います。そして、身を置く空間もきれするために適したタイミングであることは間違いないです。家の中をリセットする模様替えや家具配置移動、カーテンやラグを取り換えるなどもいいことです。眠るとき、頭を置く枕の一に注意しながらお部屋を整えましょう。
ドリームマップを作る
ドリームマップとは春分の日の次に最初に訪れる新月に行う、夢のビジョンコラージュのことです。自分の好きなもの、手に入れたいものなどを雑誌等を切り抜いて作ります。写真や映像、絵画、イラストなどを使って自分の中のイメージをどんどん膨らませていきます。
準備するもの
■将来経験したいことを表現している写真などを雑誌やインターネットから収集する
■台紙・コルクボード・ホワイトボード・画用紙など
■ボードに収集した画像を貼り付けるための道具、のり、磁石など
作る期間
■牡羊座の新月を迎えてから2日以内
ドリームマップを置く場所
■毎日目にすることができる場所
■毎日パソコンを使用する人はパソコンの壁紙にする
自分の嗜好や夢、願望がはっきりし、毎日それを見てわくわくすること。感情と意志が結びつくことで願いが叶いやすくなると言われています。
氏神神社、産土神社にお参りする
新年度を始めるにあたり、氏神様にご挨拶にいきましょう。新年度初詣は、近所の氏神様へどうぞ。
春分の日、光が差し込む舞台をその目で観察する
春分の日を始め、夏至、秋分、冬至の太陽の通り道に照準を合わせて作られた古代遺跡、神社はたくさんあります。どのような暦を使って計測され、どのように巨石を運んだかなどは、現代の物理・科学では全く不明です。
■アブ・シンベル神殿
「ヌビアの遺跡群」の一つであるアブ・シンベル神殿は、ラメセス2世が紀元前1250年頃に築きました。正面入り口から60mほど奥に進んだ至聖所に、入り口の他にさらに4体の神々の像があり、春分と秋分の朝に差し込む朝日が、入り口のラメセス2世像、そして神々の像を照らします。
■チチェン・イツァ
ユカタン半島のチチェン・イツァは、5世紀半ばから7世紀末、また、11世紀から13世紀にかけて2度栄えた、古代のマヤ遺跡です。後期に建てられた9層のピラミッドでは、春分と秋分の日没時、巨大な蛇が表れます。北面中央に設けられた階段の横に、天から大蛇が降りるごとく、上から下へ光と影のジグザグ模様が、差し込んだ太陽の影となり浮かび上がります。
■白石の鼻
松山市高浜には、自然の風化や浸食などによって形成されたとされる花崗岩の巨石群(松山・白石の鼻巨石群)が多くあり、その中でも「白龍石(地元では“三ツ石”と呼ばれてる)」
■岩屋岩陰遺跡(いわやいわかげいせき)
岐阜県の下呂金山巨石群は、線刻のある巨石群、岩屋岩陰遺跡巨石群、東の山巨石群の三ヶ所から形成され、それぞれに古代人が巨石群に施した複数の天文観測の仕組みが存在しています。最初に研究が行なわれた線刻のある巨石群では、夏至の日の出、春分の日の出、秋分の日の出を観測する仕組みが発見されています。
■岐阜県関市洞戸高賀 高賀山中腹
春分の日の正午ごろ岩屋の裂け目から太陽が差し込むのを観察することができます。
岐阜県から富山県にかけて巨石の宝庫になっています。不思議な人工巨石に圧倒されるばかりです。
2019年3月21日の天球
牡羊座に太陽が入るとき、月はおとめ座の大詰めのところにいます。そしてこれまでため込んでいた土のパワーを吐き出しながらおとめ座に入って満月となります。「おとめ座的に自分に嘘のない本当のことを明確に意思表示する」ことで一人前の大人として社会に立ち、スポットライトを浴びる満月。自分を守ってきた「殻」と決別し、新年度の入り口に立ちます。
この満月にかかわる星は火星ー土星ー冥王星という活動的で本質的で強力な星々で、月とグランドトラインをつくっています。自分の本質に素直に従う仕事で収益を増やすチャンスが来ています。太陽と一緒にいる水星と海王星が後押しするのでビジョンを目に見えるような形にすることが有効です。だから、ドリームマップはぜひ作るべきといえます。
春分の天球図がこの年度の全体像を見せてくれるということです。
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